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sakura.io さくらのIoT Platform β 共立電子ラピッドパックの評価

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2017/6/21


sakura.io さくらのIoT Platform β 共立電子ラピッドパックの評価

  • はじめに
    数年前からIoTブームが始まり、現在も継続中です。
    IoTのキーワードのもと、様々なセンサや電子機器に無線通信機能やインターネット接続機能が付加され、遠隔監視や遠隔操作等の分野で活躍しております。主にIoTで使用される無線規格には、WiFi、ZigBee、Bluetooth等いくつかの規格がありますが、その中でも3GやLTE等の携帯電話網を使用した規格は、親機(基地局)の準備が不要で、サービスエリアも広いため遠隔地や広範囲、移動体での使用には最適の規格だと思います。
    今回はLTE回線に対応した通信モジュール評価セット「sakura.ioさくらのIoT Platform β 共立電子ラピッドパック」(ラピットパック)を入手する機会があったので、マイコンに接続されたスイッチの状態を、Webから確認出来るシステムの構築を行い、システム構築手順概要と動作確認結果をご紹介いたします。

DSCN1476

  • sakura.io さくらのIoT Platform β 共立電子ラピッドパックについて
      今回評価に使用したラピットパックは、LTE網を利用してさくらインターネットが提供するIoTプラットフォームサービス、「sakura.io」に接続するための専用通信モジュール「さくらの通信モジュール」のβテスト運用バージョンです。
    ラピットパックに含まれる通信モジュールは、1台8,000円(税抜き)で販売されており、LTEモジュールの中ではかなり安価な物になります。
    (もしかしたらダントツで最安値?)
    以下の物が同梱されており、これだけあればマイコンボードのArduino UNO Rev3からLET網を経由して、さくらインターネットのデータセンターにアクセスするために最低限必要な物が1式揃います。・さくらの通信モジュール(LTE) β版
    ・Arduinoシールドボードβ版
    ・Arduino UNO Rev3
    ・ACアダプタ
    ・USBケーブル
    ・スタータチュートリアル
    ・テスト用パーツセット
    ※通信モジュールには専用登録済みSIM、ケーブル付きアンテナが付属します

iot_sakura1

 

  • 評価システム構成
     今回の評価システム構成は以下の通りです。
    システムの中で、こちらで準備する物はマイコンボードを含む通信モジュールと、さくらインターネットのデータセンターにアクセスするサーバーの2点です。
    今回はとりあえず評価してみると言う目的のため、サーバーはローカル環境に設置しました。  スイッチの押下情報はIE等のブラウザで確認することが出来、それと同時にスイッチが押されるとメールで通報する機能も付加しました。

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  • 通信モジュールの登録について
      ラピットパックを入手したら、通信モジュールをさくらデータセンターにアクセス出来るようにするため、さくらインターネットの会員登録を行ってから、さくらインターネットのサイトにある「さくらのIoTプラットフォーム」のコントロールパネルから、プロジェクトの作成、通信モジュールの登録、サービス追加を行います。今回使用したβ版は、プラットフォーム利用料金が無料ですが、正式版のsakura.ioは月額60円(2017年6月21日現在)で使用出来ます。
    その他、データ保存やオプションサービスも別途料金が必要となる場合があります。詳細はさくらインターネットのサイトでご確認ください
  • 通信モジュール側構成
      通信モジュール側の構成は以下のとおりです。
    全てラピッドパックに含まれる物です。
    ただし、Arduinoのプログラム作成とArduinoにプログラムを書き込むために、Arduino IDEがインストールされたパソコンが必要になります。
    プログラムはサンプルソースがあるので、プログラムを作らずに何らかの動作をさせる事が出来ます。
    また、サンプルソースを参考にしてプログラムを作成することも可能です。基板間はピンヘッダ/ピンソケットで連結出来て、スイッチや抵抗付きLEDはピンソケットに差し込むだけなので半田付けは不要です。
    アンテナコネクタの差し込みは少し堅いです。また位置がずれたり、斜めに押し込むと曲がる可能性も有りますので注意が必要です。今回はスイッチが押されたらメッセージをさくらデータセンターに送信するプログラムを作成しました。
    プログラムは、サンプルソースを少し改造した程度で出来ました。iot_sakura4

 

iot_sakura2

  • Web側構成
      今回はローカル環境にWebサーバーを設置し、さくらデータセンターとWebSocketプロトコルで通信を行うJavaScriptを入れたHTMLファイルを作成しました。
      スイッチの操作状況を確認するときは、このHTMLファイルにアクセスします。
      ブラウザで見るとスイッチが押されるたびに、押された時間が表示されます。
      また、スイッチが押されたら、設定されたメールアドレスに通報メールを送信する機能も付加しました。

ito_sakura5

  • 動作確認
      セッティングが完了したら、ArduinoにACアダプタを接続します。
    接続直後に3回点滅していたLEDが1回点滅になると接続完了です。その後、ブラウザからHTMLファイルにアクセスします。
    HLMLファイルにアクセスしたらArduinoに接続されているスイッチを押します。
    スイッチを押すと、以下のようにブラウザに押された時間が表示される事が確認出来ました。iot_sakura6また、送信先のメール受信トレイを確認すると通報メールが来ている事を確認出来ました。
    今回はGmailを使用しました。

  • 応用例
      Arduinoには、汎用ポート、I2C、SPI、ADコンバータ、PWM等々、多彩なペリフェラルが
    内蔵されており、センサーデータの計測やモーターやヒーター等の制御に使用出来ます。これらの機能を使用して、環境モニタや防犯システム、電光掲示板やバルブの遠隔制御、 各種機器の動作状況ログ送信等、幅広い分野への応用が期待出来ます。
    また、ソーラーパネルと併用すれば、商用電源のない地域で通信や電源の配線工事を行う
    ことなく設置運用が可能となります。通信モジュールのホストMCU インタフェースは、I2C,SPI,およびUART から選択可能で、簡素なコマンドのみでデータの送受信が出来るため、Arduino以外のワンチップマイコンを使用した設計も容易に出来そうです。

お問い合わせはこちら TEL 0895-65-9232

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